オレンジ
「い、いませんけど…」
「そ、そうか…」
そうか…ってそれだけ?
なになに?なんかあるの?
きっと、今のあたしの頭の上にはハテナがいっぱいだ
戸惑ってるあたしをよそに先生は俯いたまま話しだした
「俺さ…25年間生きてきて、こんなに悩んだのは初めてだ」
うん、えっと…話が全く読めないです…
そんなことはお構いなしに先生は話し続けてる
「こんなに切なくなったのも…人を好きになったのも…」
俯いたままだけどしっかり聞こえてくる先生の声に何故だか涙が溢れだした…
「俺さ…お前を初めて見たときから気になってた…んで、いつの間にか好きになってた…」
えっ?
…好き…?
先生は顔を上げ、あたしを見て言った
「前野、お前が好きだ…」
あたしを…好き?
先生が?