ひとりぼっち
俺らは二人で一人だと思っていた。


生まれる前からずっと一緒で、生まれた後も誰よりも近くに君が居て、君のことならなんでも分かっているつもりだった。もう一人の自分。そんな風に考えていたのはきっと俺だけじゃなく君も同じだっただろう。





だから、離れてても大丈夫だって思ってたんだ。




俺はとめどなく溢れる涙を頬に感じながら君を抱きしめた。


もう動かない君の名前を何度も何度も呼んで。



「許さない…」



小さな白い部屋に俺の声だけが小さく響いた。




< 2 / 33 >

この作品をシェア

pagetop