BlooD〜バンパイアに恋した
実咲「どうした!?」

翔「ぐっ…あぁー!!はあはあはあ…そうか…そうだったのか…」

実咲「お、おい?大丈夫か?すぐに水を…」

翔「いや…良い…そうか…実咲ちゃん…実咲…あの時の女の子…」

実咲「おい、しっかりしろ!?」

翔「大丈夫。心配しないで。ちょっと、記憶が戻っただけだから」

実咲「え?戻ったのか?」

翔「うん…実咲ちゃん、あの頃…うさぎの絵が書いてある手鏡…
すごく大事にしてたよね…」

実咲「なんでそれを!」

翔「遠足の時、水族館に行って
大きな水槽を見て、割れたら大変だからって、ずっと泣きそうだったよね?」

実咲「なんで知って…まさか!?」

翔「あぁ…そのまさかだよ…あの写真の男の子…俺だ」

実咲「そうだったのか…そうか…」

翔「実咲ちゃん、泣かないで…
あの時、親が交通事故で亡くなってから、兄貴に拾われた。
それから、ずっと二人で暮らしてた。
ある日突然、兄貴は消えたけどね。
兄貴が残していった金があったから、まだ苦労しなかったけど…
ねえ、実咲ちゃん…?」
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