もしも君が
1
「はぁぁぁ・・・・」

またドタキャンされてしまった。
今日は久しぶりのデートの約束だったのに。

仕事も何とか切り上げてやっと作った時間だったのに・・・


数十分前に約束のカフェで待っていたら携帯がなった。

ディスプレイには彼の名前。
『弘樹』

あわてて出ると彼からのデートキャンセルの電話。


『ごめん。急に接待が入っちゃって。今日は行けない。』


仕事・・・・ねぇ・・・


「そっかぁ・・仕事忙しいのね。・・・分かった。」


文句を言いたい気持ちをぐっと堪えていい子の返事をする私。


『ごめんなぁ。じゃあまた連絡するから。』

「うん。頑張ってね。」

そう言って私は電話を切った。



何度目だろう。デートのドタキャン・・・
弘樹とは付き合い出して2年。
ここ最近まともにデートもしてないし、連絡もあまりない。

メールはあまり好きじゃないとか言ってしてくれないし。


なんだかなぁ・・・

やりきれない気持ちで待ち合わせのカフェで一人お茶をしていた。
今日だってやっと手に入れた映画の先行上映を見に行く約束だったのに・・・

鞄からチケットを取り出して眺めてみた・・・


（せっかくだし・・・見に行こう・・・。）


私は一人映画館へ行く事にした。
< 1 / 6 >
表紙・目次

この作品をシェア

pagetop