もしも君が
(・・・出よう・・・)


そう思って席を立とうとすると

「あっ!!ねぇ、鏡もってる?」

突然隣にいた男性に声を掛けられる。

「・・・持ってますが・・・」

そう答えて私は声をかけられた方を見た。


「じゃあ、顔見てから出た方がいいかと・・・・」
気まずそうに話す男性。

顔??私の??
あわてて鏡を取り出して自分の顔を見る。


「!!!」


とても外には出れるような状況ではなく・・・

私は自分でも気付かないうちに号泣していたようで・・・

デートの為に気合を入れて化粧したアイメークが見事に溶けていた。


顔から火が出るかと思うくらい
一瞬で顔が真っ赤になるのが自分でも分かった。



「あ・・・ありがとうございます。」


私は顔を伏せたまま教えてくれた男性に頭を下げた。

・・・んっ・・・・


(あれ??)


チラッと男性の顔を確認する。

「いいえ。どういたしまして」

男性は笑顔で答えてくれたが・・・


もう一度足元を見ると・・・・



・・・・あれれれ・・・・・・・・


あっ・・あしが・・・・足がないよ・・・




んっ・・・!?
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