闇の貴公子に偽りの愛を

一曲踊り終えてアディナはやはり舞踏会は嫌いだと心の中で嘆いていた。


踊るのは好きよ？
でもここまでいろいろな人にじろじろと見られては疲れてしまうわ…
と。



「他の貴婦人も誘ってみてはいかがかしら？きっといい出逢いがあるわ。」


男に笑顔を向けたアディナ。


「でも僕はっ！」


貴方とまだ踊りたい。そう続ける筈だった男ランディ―。


しかしアディナの笑顔に勝てるはずもなく、そうですね。そう小さく頷き、アディナの笑顔に顔を赤らめた。


ランディ―が顔を赤らめた事など気付かないアディナは今日はありがとう。と


また微笑んだ。