闇の貴公子に偽りの愛を
「アディナ!!」
朝早くからアディナを呼ぶ姉、リディナの叫び声が響く。
「全くリディナお姉様は毎朝忙しいわね。…そう思わない?」
小さく愚痴をこぼし微笑み、小鳥に話し掛けるアディナ。
「アディナ!!聞こえているの!?」
二度目の叫び声。
相当機嫌が悪いわ。そう呟いて自分の部屋を出てリディナのもとへ向かう。
毎朝アディナはリディナの叫び声に起こされ、リディナにこき使われる。
しかしアディナはリディナの前では絶対に愚痴一つこぼさず、笑顔を崩さない。