闇の貴公子に偽りの愛を
「お姉様、何かご用ですか?」
リディナに笑顔を向けるアディナ。
「来るのが遅いのよ!!」
アディナの笑顔が気に食わないのか怒鳴り散らすリディナ。
「申し訳ありません。」
立場的には同じはずの姉妹だが、リディナは隣の国のルーヴィ王子との婚約が決まったのをいい事に、アディナをこき使っているのだ。
「いいわ。今日は許してあげる。明日から気を付けなさい。…今日は舞踏会があるの。姉妹で参加するように言われたから貴方も支度して頂戴。」
「お姉様のお手伝いは要らないのですか?」
不思議に思いアディナはお姉様に聞いた。
「今日は要らないわ。ただし、ロザルト家の名に傷を付けるんじゃないわよ。」
お姉様はパーティの事を心配しているのね。
心配する位なら私を連れていくなんて事をしなければ良いのに。
と不満に思うアディナ。