闇の貴公子に偽りの愛を
第二章 闇の貴公子と偽りの花嫁
大きな部屋に大きなベッド。
天井に吊り下がる綺麗なシャンデリア。
そしてベッドには2つの影。
「おはようアディナ…」
寝呆けたエドガー。
「おはようエドガー…」
それに答えるアディナ。
エドガーはアディナのキャラメル色の髪に指を絡ませる。
「お姉様は明日結婚するわ……………お姉様には幸せになって欲しい……」
「アディナ…リディナはきっと幸せになるよ。」
エドガーは自分がアディナを無理矢理花嫁にしたことを後悔した。
アディナにこんな顔をさせてしまうなんて……
僕は何をしているんだ……
エドガー自身もアディナを愛している訳ではない。
しかしエドガーは自分勝手な考えで他人を巻き込んでしまった事を悔やんでいた。