闇の貴公子に偽りの愛を
「…様…ディナ様……リディナ様!」
私の横で私の名を呼ぶ人がいる。
誰かしら…?
「マリアです。……エドガー様をお呼びしますね。心配なさってましたし……」
「……マリア…呼ばなくて良いわ。」
エドガーに心配させてしまうなんて……
偽りの花嫁と言えど最低だわ。
「しかしアディナ様…アディナ様が刺されて意識を無くされてから今日までエドガー様ね様子がおかしいのです。」
エドガーの様子がおかしい?
そんなはずはないわ。
「エドガーは毎日外出していたのでしょう?」
「いいえ。アディナ様が刺されてからは一度も。」