闇の貴公子に偽りの愛を


「君は兄さんの花嫁で、魔力を持っているだろ?ルビーの指輪がなければ魔力は持っていないに等しい。しかも君は魔王に心臓を奪われている。…他にもあるよ?本当はエドガーを愛している事とか。」


シルヴィアはその場で泣き崩れた。


「…っ……仕方なかったの……仕方なかったのよ……本当は知ってた………エドガーの心臓がここに……ここに無いことも………エドガーは……ロジェンスの為に………私の為に………シナモンの為に……ルーカスの為に………心臓を魔王に捧げたことも………全て…全て知ってたのよ……だから、だから私は……エドガーを助けると誓ったの………愛さないと誓ったのよ…!だからさっきだってロジェンスにキスを求めたのになぜ…唇にしなかったのよ!」



確かに唇にしたように見えたキスはそう見えただけで、唇にはされていなかったのだ。


シルヴィアは気付いていないが、ロジェンスには全てお見通しだった。













< 66 / 87 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop