Noёl



……………

ちくしょう、ホワイトクリスマスじゃねぇじゃん。

朝起きて窓の外を見ながら、軽く舌打ちした。

昨日の段階では、お天気お姉さんは可能性を切り捨ててなかった。でもやっぱりそんなにうまくことは運ばないか。

まぁいい。
ホワイトクリスマスだと雰囲気もロマンチックかと思っただけだし、第一俺は寒いのが苦手だ。
彼女だってもしかしたら寒いのが嫌いかもしれないし。

俺の取り柄はポジティブなところだ。
そう、例え…例えふられても、笑って独り身の集うパーティーに顔出ししに行くさ。

でもやっぱりどこか期待を捨てきれずに、俺は念入りに髪型をセットして家を出た。

刺すような空気が充ちていて、俺はマフラーを思い切り引き上げる。

「さっみーっ!」

気合いを入れるために大声で叫んで、学校までの道程を駆け出した。



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