コンプレックスなふたり☆


「あの…優希、先輩…?」


いつまでたっても受け取ろうとしない彼女に、不安そうに眉を寄せながら話しかけた。


「……ん?」


優希は巡らせていた思考を止め、やっと後輩の顔を視界に映す。

そして暫くすると、自分がまだ受け取っていないことに気付き、そこでやっと両腕を伸ばした。


「……あぁ、ごめん」 


差し出された箱を、スッと受け取る。


「先輩…」

「……何だ?」


首をぐてん、と横に曲げた。


「そ、その箱…クッキーが入ってるんです」

「……へぇ」


じっと綺麗な淡い水色をしている包装紙に包まれた箱を見つめる。


「……甘いもの、お嫌いですか?」


先程より、さらに不安げな顔をする女の子。



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