コンプレックスなふたり☆
「……朝っぱらから大声出すなよ」
(こいつ、朝から何でこんな元気なんだよ。そっちの方が可笑しいだろ)
意味もなく後ろ側の首に手を当てながら、不機嫌そうに皺を寄せてしかめっ面した。
「お前が殴るからだろ!」
「……。あ?」
睨みを効かせてやると、急におとなしくなる。
まさに、蛇に睨まれた蚊だ。
「お前がふざけなきゃ、叩かれないですんだだろ?」
「ハイ、ソウデス」
「俺に非はあるか?」
「ナイデス」
周りで会話を耳に入れていた先輩は苦笑い、後輩や同級生は笑いを堪えている。