コンプレックスなふたり☆
「そういえば、課題の風景画終わったか?」
直哉が不意に尋ねてきた。
課題の風景画とは、その名の通り風景を描く。
自分の持っている風景の写真や本、それがなければ実際に外に出て描くというものだ。
「あぁ。お前は?」
遥がそう聞くと、苦笑いして紙を指した。
そこには、塗りかけの風景画が。
(まだ終わってないんだな…)
彼は呆れ顔を寄越しながらも、手だけは動かしてデッサンの準備を進めた。