コンプレックスなふたり☆
それに。
やはり絵を描くのは面白い。
未だに剣道は学校外で習っているが、それとは違う楽しさがあるのだ。
例えば、線を一本引いただけじゃ分からないがそれが重なると違うものに変化する。
微妙な違いがあるだけで、全く絵が違ってみえるし、だからこそ面白くて仕方がない。
それが絵や物を作るのが好きな彼にとって最大な理由だった。
真っ平らの白いお皿をデッサンの材料にした遥は、サッサッと音をたてながら黙々と手を動かす。
白いと言っても、流石に周りに模様がついているので、それは描かなければいけない。
(…けど、ビンを選ばないで正解だった)
ビンやグラス等、透明なものを描くのは本当に難しい。
デッサンというものは、立体的に描くのは勿論のこと、影もつける必要がある。
なので透明なビンやグラスは影が多いから大変なのだ。