コンプレックスなふたり☆


(これならなんとかなるかもしれない)


相手が話し合いで通用するならばそれが一番だが、それじゃあ駄目な場合もないとは言えない。

あの場所からは、女の子とは違う、男子生徒の声がはっきりと聞こえた。

内容までは知らないが、確実に女の子は嫌がっている。


(……早く助けないと)


自分の中にある恐怖という言葉を殺し、足音を忍ばせながら近づく。

そこにいたのは、試合の時のような凛々しい彼女だけだった。



< 26 / 71 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop