コンプレックスなふたり☆
(これならなんとかなるかもしれない)
相手が話し合いで通用するならばそれが一番だが、それじゃあ駄目な場合もないとは言えない。
あの場所からは、女の子とは違う、男子生徒の声がはっきりと聞こえた。
内容までは知らないが、確実に女の子は嫌がっている。
(……早く助けないと)
自分の中にある恐怖という言葉を殺し、足音を忍ばせながら近づく。
そこにいたのは、試合の時のような凛々しい彼女だけだった。