コンプレックスなふたり☆


(まぁでも、海先輩は自分が原因で保健室に運ばれる生徒がいることにさえ…)

気付いていない。


彼女を視界に映しながら、内心頭を抱えた。


(というかまず、自分がマドンナ的存在だってことも知らないんだもんな…)


仲良くなって色々話せる様になってから、ある日不思議そうに言われたこと。


『なんかね、いつも男子達が私が試合の番になると凄い声援くれるんだよ』


そんなに強いわけじゃないのに熱心に応援してくれるなんて、何でだろうねー?と笑いながら言われ。


ある時は。


『どうしていつも倒れる生徒がいるのかな? ここ、熱いから?』


という具合に。

見事な天然ぶりなのだ、彼女は。


(最初のは衝撃的だった)


うんうんひとり頷く。

自分が人気あるなんて、夢にも思ってない人だと分かったときは。

ある意味尊敬しそうだったよ、どうしてそこまで天然でいられるのか。



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