コンプレックスなふたり☆
「…で、返事は?」
遥は彼女を抱き締めたまま、不安そうに訊ねる。
そんな彼にクスリと笑むと、お腹に回っている手を包みこんで、頷く。
「うん…、よろしくね」
「……冗談とか、言わせねぇからな」
「うん」
痛いくらいきつく抱き締められ、ギブとでもいうように遥の手を軽く叩くと、悪いと謝られた。
ねぇ。
きっと、誰でもお姫様になれて、誰でも王子様になれるんだ。
おとぎ話を信じていなかったあの頃、お姫様みたいな恋愛は出来ないと思っていた。
でも、貴方のおかげで、それが出来た。
さぁ、貴方もたったひとりだけのお姫様、王子様になってみない?
【END】