コンプレックスなふたり☆
「優希先輩っ!」
ひとりの女の子に、声をかけられた。
その子は髪をふたつにちょこんと縛ってあり、中々可愛らしい。
(……一年の子か)
優希を先輩と呼ぶのは、一年生しかいないだろう。
女の子が緊張した様子で駆け寄ってくる。
「………どうした?」
「あ、あの…」
何かと問うが、その子はもじもじしたまま俯く。
そして、決意したのかパッと顔を上げた。
「これっ!よかったら…、食べて下さい!」
何やら包み紙に包まれた四角い箱を彼女に渡す。
手を微かに震わせて。