Little World 〜幼なじみ〜
「モタモタしてたら、入学早々遅刻するよ!」
「もー朝ご飯くらい、ゆっくり食べさせてよ」
「早く降りてこないからでしょ?おバカ」
うぅ…、まぁそうだけどさ。
それでもあたしは、手を早める事はなかった。
ピンポーン!
「ほら!颯也くん来ちゃったじゃない」
そう言うと、あたしの口の中にパンを詰め込んで玄関のドアを開けて背中を押された。
こんな事されて、転ばないわけがない。
目の前には、男の子。
「…なにやってんの、お前?」
「ヒザ痛い〜!お母さんひどい!」
「颯也くん、莉子よろしくね!行ってらっしゃい!じゃ」
謝らないの?お母さん!!
しかもシカト。
可愛いムスメが痛い思いしたっていうのに…!
「ふぅ。ほら、立って」
ため息をつきながら、腕を引っ張て立たせてくれた。
この男の子は、隣に住んでいる幼なじみ。
西岡 颯也(ソウヤ)って言います。
ついでに同い年。
同じ学校。
同じクラス。