Little World 〜幼なじみ〜
「なぁ、そんな事されても莉子は気持ちに気付かないわけ?」
「…聞かなくたって、わかる。あいつは気付いてねぇーよ。鈍いから」
「…鈍いのは、颯也もだろ?それで色んな女の子泣かしてきたくせに」
「は?泣かせた記憶ないけど」
そう言うと、耀太はため息まじりで話した。
「ホント莉子しか見えてないんだな」
当たり前だろ。何年間、好きだと思ってるんだよ。
そう言いたかったけど、そんな恥ずい事言えなかった。
「まあ、親友の恋だから応援してやる。だけど1個、言わせてもらう。
たまにはさ、世界を広げてみれば?莉子から、少し離れてみたら世界が広がって何か変わるかもよ。見えないものだって見えるかもしんない」
…まぁ、耀太の言う事も分からなくない。
だけど、今の俺には莉子から離れるなんて考えられない。
…なんで、幼なじみなんだよ。