Little World 〜幼なじみ〜
「ねぇ、颯也って呼んじゃダメかな?」
「いいよ、全然」
「やったぁ!じゃあ、あたしの事も風夏って呼んでね♪よろしくね」
そう言って手を握られて、ブンブンと振られた。
その時、またドアの開く音がした。
「わっ…!」
ん…?この声…。
風夏越しに向こうを見ると、莉子がいた。
あ、やべぇ…今の状況。風夏と手握ってるし…。
俺は、すぐに手を離した。だけど、そんな抵抗もう遅かった。バッチリ莉子に見られていた。
「ご…ごめんなさい!あたし…すぐに出てくから!」
そう言って、手に持っていた箱をカバンに急いで詰めていた。
「ホ、ホントごめんね」
「莉子、違うって…」
「あ、たし何も見てないから。そ、それじゃあ!」
走り去る時に、机に何度もあたりながら出ていった。