Little World 〜幼なじみ〜



「…っ!」


「…なに、無視?」



久しぶりにこんなに近くで、颯也を見た。掴まれた腕から、体温が伝わって心臓をつかむ。



この手で、マネージャーの手に触っていたんだ…。


そう思うと、離してほしくてしかたなかった。




「…や、別に無視なんて」



うつむいて小さな声でしか言えなかった。


「ちゃんと目見て話せよ」



真っ直ぐにあたしを見つめる目を見て、嘘は堂々と言えなかった。


「……」




「颯也?」



声をする方を見ると、マネージャーさんが立っていた。



その瞬間、颯也はあたしの腕を離した。




< 46 / 76 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop