Little World 〜幼なじみ〜
「まあいいや。…仲直りって事でいい?」
「…っ、うん!」
あたしは嬉しくて仕方なかった。また颯也と元通りになるんだあ…。
ちょうどその時、ある事を思い出した。
「颯也、来週の土曜日、誕生日だよね?今年どうするー?」
あたしたちは、どちらかが誕生日の時は2人でどこかに行くのが定番になっていた。
「あー、俺きっと部活」
「そうなんだ…。部活なら、仕方ないね…」
さっきまで嬉しかったのに、気分が落ちていった。
そんなあたしを見て、颯也は軽く笑った。
「そんな落ち込まなくても大丈夫だし、午前中だけだから」
「ほんとっ?てゆうか、早くそれ言ってよ〜!」
「だから終わったら、な」
「うん。じゃあそれまで何してよう~…」
「良い子で待ってろよ」
そう言って頭にポンと颯也の手が触れた。
同時に、あたしの心臓はドキンと音をたてた。
「じゃあな」
そう言って、あたしに傘を渡して小走りで颯也はいってしまった。
え?嘘っ、もう家に着いちゃってる!!