Little World 〜幼なじみ〜
もう…いいや、帰ろう。家に。
鼻の奥がつんとして、今にも涙が出そうだったけど、こんな所で泣くわけにはいかない。
あたしは駅に歩いていった。
前を見て、歩くことは出来なかった。俯く事しか出来なかった。
ねぇ、颯也…。
どうして嘘なんかついたの…?
風夏ちゃんといたいなら、そう言えば良かったじゃん…。
嘘つき、颯也の嘘つき…!!!
そんな時、ふと誰かが前に立った。
「莉子ちゃ、ん?」
顔を上げると、そこには先輩の姿があった。
「せ、んぱ…」
こらえてた涙が出てきて、止まらなかった。
「…とりあえずさ、場所移動しよっか」
そう言って来た場所は、近くの公園だった。
ベンチに腰を下ろすと、先輩も隣に座ってなにも言わずに、なにも聞かずにただそこにいた。
「…なにも。聞かないんですね…」
「ん?…ただなんとなくわかる気がするから。それを聞くのが怖いだけだよ」