Little World 〜幼なじみ〜
「付き合ってないよ!
幼なじみなだけ。
だから恋愛感情とか一切なしっ!」
いつもの決まった返し。
香奈は隣で、微笑んでる。
もうっ!笑い事じゃないのに〜。
「意地っ張り」
「じゃあ香奈も、体験してみてよぉ!」
そう、昔からさんざん周りの人たちに
『大きくなったら付き合うんだろうねぇ』
とか、
『絶対に好きになるね』
とか、
暗示にかかるくらいに言われ続けた。
だから、あたしは自由に恋がしたいの!
なんて言うんだろう?
言われれば言われるほど、反発したいっていうか…。
そんな幼なじみっていう、小さな世界の中しか見ないなんて絶対にイヤ!
そして、ちょっとした反抗心と意地っ張りで今のあたしが出来た。
「良いと思うけどね、そういうの」
「良くな〜い!」
「だって、颯也モテるじゃない。勉強だってスポーツだって出来るし、あの女ウケな顔。そばに居てラッキーとか思わない?」
そうかぁ?
あたしからしたら、何がいいのかサッパリわかんない。
遠くから見ても、颯也はやっぱり颯也でしかない。