Little World 〜幼なじみ〜
「颯也って…いつも、莉子莉子だよね…」
「ん?そうか?」
「そのたびに、あたしが悲しくなること…わかってる?」
そしてまた黙ったまま。そして次の瞬間、顔を上げた。
「颯也の鈍感っ!」
「は?どうしたんだよ、急に」
「これだけ言っても、まだ気付かないの…?今日何で颯也を呼び出したのかとか、陸上を勉強して近づきたいとか…。あたし………っ」
「はーい、ストップ!」
風夏の声をさえぎって、誰かの声が響いた。
横を見ると、香奈の姿。顔は普通だけど、怒ってますオーラが出ていた。
「あれ?莉子といるんじゃなかったのか?」
「いたよ。さっきまでね。まぁ、今は別の誰かといるかもねぇー」
「…なんだよ、別の誰かって…」
嫌な予感がした。香奈が、こんな風に言うったら1人しかいねぇじゃんか。