Little World 〜幼なじみ〜

「莉子は？」





颯也は意地悪な顔から、優しい顔にかわっていた。


ちくしょー…、カッコいいとか不覚にも思った自分が悔しい。






「…………好き、じゃない」


「…、ふぅん」




またまた意地悪な颯也に再会。


も〜…！どうでもいいや！





「…っ、好き！颯也が好き！



…わっ！」





今度は後ろからじゃなく、前から抱き締められた。

やる事全部が急で、ついていけない。





「は、離してよ！！」


「…わかった」




颯也は珍しく、言ったとおりにあたしを抱きしめるのをやめた。



………言ったは、良いんだけど…離して欲しくなかった……かも。口が裂けても言えないけど。






「本当は離して欲しくなかったんだろ？」


「……違うもん！」










「…意地っ張り」


「…意地悪」





２人で顔を見合わせて笑った。


その時、あたしは確かに幸せだった。