てん ―The pure story―



今日一日の出来事を、ベティママはいちいち感動しながら聞いていた。




「すばるくんのママ、すばるもう眠いって。帰ろうよ」




タカシが、すばるをだっこして言った。





「そうね、今日はもうお開きにしましょう。ところでどうします?タカシ君・・・てんちゃんのこと」




ベティママが〔てがる〕夫婦に言った。




「わしらはもちろん泊めてもかまわんよ。しかしすばる君がてんちゃんから離れないし、いっそ奈央ちゃんもうちに泊まるかね?」




おじさんの言葉におばちゃんが賛成した。




「ありがたいんですけど、もししばらくてんちゃんのご両親が現れなかったらご迷惑をかけます。わたしが二人をアパートに連れていくわ」




奈央が言った。




「しかし、若いふたりがひとつ屋根の下に?」




ベティママの言葉におじさんが笑った。




「なにいってんだベティママ。大丈夫、てんちゃんは5歳児だ。思春期だってまだだよ」




「ししゅんき、ってなあに?」




タカシがきょとんとして、首を傾げた。

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