てん ―The pure story―
――冗談じゃない!いくら知能は五歳児でも百八十センチ越えの男の隣で寝れないわ――
「てんちゃん!」
奈央は声を張り上げた。タカシはびくっと首をすめた。
「てんちゃんはおにいちゃんでしょう。再来年は学校にあがるのよ。すばるに笑われても知らないからねっ」
奈央はそう言って、タカシを見上げて睨んでみせた。
「・・・ぼくひとりで寝れる・・かも・・・しれない」
タカシはしゅんとした。
「いいこね、じゃあおふとんに入って」
奈央はほっとして言った。