てん ―The pure story―
ピンチヒッターてんちゃん
夕方、駅を出ると、〔てがる〕の前に救急車が止まっていた。
おばちゃんがストレッチャーにのせられたおじさんの手を握っておろおろしていた。
「おじさん、どうしたの!」
奈央たちは駆け寄った。
「なにも心配することはないよ。ちょっとくらーっとしただけだ。それをこいつが大袈裟にこんなもん呼んでしまって」
おじさんは元気をよそおって、そう言った。
しかし、顔色は青ざめていた。
「少しの間店を見ててもらえると・・・」
そうおばちゃんが言いかけると奈央は
「もちろんよ!!」
と頷いた。
タカシはタコ焼きを焼き始めた。