てん ―The pure story―
ピンチヒッターてんちゃん




夕方、駅を出ると、〔てがる〕の前に救急車が止まっていた。




おばちゃんがストレッチャーにのせられたおじさんの手を握っておろおろしていた。




「おじさん、どうしたの!」




奈央たちは駆け寄った。




「なにも心配することはないよ。ちょっとくらーっとしただけだ。それをこいつが大袈裟にこんなもん呼んでしまって」




おじさんは元気をよそおって、そう言った。




しかし、顔色は青ざめていた。




「少しの間店を見ててもらえると・・・」




そうおばちゃんが言いかけると奈央は



「もちろんよ!!」



と頷いた。









タカシはタコ焼きを焼き始めた。
< 147 / 200 >

この作品をシェア

pagetop