てん ―Ｔhe pure story―

タカシは、中学に入った頃には、いっぱしの不良グループのリーダー的存在になっていた。



彼のカリスマ性に年上の連中も従った。



年齢を偽りアルバイトをしていた解体屋の部品を繋ぎ合わせて、一台のセコハンを作ったのが彼とバイクとの最初の出会いで、タカシは１３歳だった。




不良グループはそのままバイカーのグループとなった。




タカシはずっと無免許だった。




しかし、埠頭で事故に遭うまでは、一度だって捕まるどころかカスリ傷ひとつ負うこともなかった。






そして初めての事故が、タカシの人生において致命的な打撃に追い込む結果となった。