てん ―The pure story―
「えーっ、29!?うーん、もうちょっと若いと思ったんだけどなぁ」
かおりが悪態をついた。
「あたしは気になんない」
奈央が不満そうに言った。
「で、なになに、その後どうしたって?」
かおりは、奈央の顔を覗き込んで言った。
「ラーメン食うか?って。うん、て言ったら屋台に連れて行かれてあいつ一つだけ注文したのよ。俺は減量中だからって。それから、泊まるとこないのか?って聞くから、まあねって言ったのよ。そしたら泊まってけって」
「むむむっ、クライマックス!」
かおりは身を乗り出した。