てん ―The pure story―



「なに言ってるのよ。あいつ、俺はトレーニング、とか言ってさっさとスウェットに着替えて、布団はそこだ!なんて無愛想に・・・それからランニング行っちゃってそれきりよ」



奈央はため息をもらした。



「帰ってこなかったの?」



「まあ、そんなとこ。朝、あたしがアパート出たとたん、ただいま、おやすみってね」



「女に興味ないとか?」



「しらないっ。あたし覚悟して行ったのに」



「ほほう、ねんねちゃん、そうだったのかぁ」



「とにかく、こうなったら意地よ。絶対に落とすからっ」



「はいはいっ、がむばってねっ」



かおりが茶化した。



「本気なんだからねっ」



奈央はムキになって言った。
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