てん ―The pure story―



ケンがイダテンに、いきさつを話した。



イダテンは新顔をたしなめてケンに言った。



「すまん、こいつは新顔なもんで俺に喜ばれようと必死だったんだろう。許してくれ、俺たちが移動する。邪魔して悪かった、パーティを続けてくれ」



イダテンが謝罪の受け入れを求めてケンが応じた時、また新顔がやすしにちょっかいを出し茶化し始めた。



「けっ、誰のパーティか知らねーが寂しいねえ、女は一人だけかよ。マイノリティーじゃレディースもそっぽ向くってわけだ。せいぜいバイクにまたがって、てめえで慰めてろ。それともお前らの安いガソリンじゃ不完全燃焼かよ!!」



「ユタカ!いいかげんにしろ!」



イダテンが新顔を一喝した後で、やすしに向かって



「すまん、こいつ口が悪くて。俺たちは引き上げる。勘弁してくれ」



と侘びをいれた。




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