てん ―The pure story―



「母さん、幸せ?」



「そりゃあね。正彦もとても優しくておなかの子共々大事にしてくれてるわ」



「財産を吸い尽くすまでじゃないの?」



奈央は突き放して言った。



母は黙っていた。







「ねえ、母さん、私は財産なんていらないわ。産まれてくる赤ちゃんと、あの男とでどうにでもして。・・・その代わりお願いが一つだけあるの」


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