アネモネの花束を君に

「うん、心配かけてゴメンね、八尋兄さん」

絶対殺される…
目が…目が…目が〜〜

「さく、お隣りにいるお友達誰かな?」

うわあ…
笑ってるはずなのに怖いよぅ……

「えっとね、さくのお友達でれーくんって言うの〜。」

頑張って、笑みを浮かべながら、八尋兄さんに紹介した。

「へぇ〜、俺はさくの兄の八尋です。よろしくね、れーくん。」

笑みを浮かべながら、お兄さんは言った。
れーくんはなんでかわからなかったが、凹んでた。



――ガラガラ

「さく〜大丈夫?無理しちゃダメよ。んもぅ〜酷いじゃない、やーくん。車止めた途端走って行っちゃうなんて〜。」

入って来た栗毛の綺麗な女の人で私のお父さん。

「はぁ〜、うるさいですよ。公害は帰ってください。さくが汚れます。」


「はぁ〜やーくん、ワタシのどこが公害なのよ!!」
「そんなもの全てですよ。」

父さんが端っこで凹んでる。

しかも、「さきちゃん〜やーくんがねぇ…」半泣きで凹んでる……

正直言って、怖い……


「お兄ちゃんもお父さんもわざわざ心配して来てくれてありがとう。」
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