アネモネの花束を君に
空〜旅立ちの日に〜
〜1〜†桜Side†
だから、外出なんて両手で数えられるほどしかなんだ。なのに、誘拐にはたくさん遭った。
私はその頃は凄く元気で、毎日家の庭を駆け回って良く遊んでいた。
「ん〜〜懐かしいなぁ……」
「何が懐かしいの?てか、倒れたんじゃないの?心配して損した」
「へっ……真白(ましろ)……?」
そこには、幼なじみの久坂真白がいた。真白の家、久坂家はうちの結城家に代々仕えているんだ。
「へっ……真白……?じゃねーよ。こっちが「真白…桜さんに何んてこと言っているんですか?」
ふふふと笑いながら、病室に入って来た。
「紅(こう)兄!!」
「紅野さん」
「お久しぶりです。桜さん。」