アネモネの花束を君に


――ゴン

「痛!」

「そりゃ、痛くしたんですから、痛くないと困りますよ。トリップしてないで、さっさと行きますよ。」

紅野の右手には大きいファイルが握られていた。紅野とは5歳からの付き合いだ。しかも、ずっと一緒だったから、すぐに見透かされてしまう。


「ああ」


☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆


「やー、くれ。おーいこっちこっち」

駐車場に行くと親父がいた。


「よし。全員乗ったな、彰(あきら)出せ!」


「わかりました。」
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