アネモネの花束を君に
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某空港のロビー


アメリカ行き1775便…


あ…行かなきゃ

「れーくん、ばいばい。」
わたしは小さな声で呟いた。




……チッ



舌打ちがしたような気がして辺りを見回した。


「さくちゃーん!行きまーすよー。」

お父様が言った途端、八尋兄様が溝尾を入れた。

「さく、行きますよ。」

そう一言言って、ゴロゴロと音をたてながら、荷物を引いてゲートへ向かっていく。




「こら。聞いているのですか?早く来なさい。」



「あっはーい。」

「はいは短く―(長いため以下省略)」

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れーくん

初めての手紙だね〜。
なんか緊張する。
れーくんに最初に会ったときは無愛想だし、遊んでくれ無いし、なんだコイツと思ってました。
だんだん遊んでいるうちに、お花のことや本のことを照れ臭そうだけど、楽しそうにさくにいっぱーい話してくれてとてもうれしかったよ。
恥ずかしがり屋だけど、優しい、優しいれーくんが大好きです。

れーくん、勝手にいなくなってごめんね。

れーくん、大好き

大大だーい好き


桜より



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