アネモネの花束を君に
「ちょっと、プライベートでして。桜さんすみません、真白借りてもよろしいですか?」
紅野さんは黒いオーラを纏いニッコリとしながら、わたしに言った。
「あ……はい。」
紅野さんの顔が怖くて思わず言ってしまった。
すると、真白が私の腕をひいて、小さな声で言った。
「なんでいいって言ったんだよ!!」
「あんなの逆らえる訳無いでしょ!!」
「そりゃ……そうだけど、あんな風に言わなくていいだろ!」
「ちょっといいですか?」
そこを見ると魔王が……
ゴメン、真白。
私、無理だわ……
私は真白に向かって手を合わせた。