アネモネの花束を君に
「桜さんどうかしましたか?」

紅野さんが私に気づき、私に言う。


「いえ、凄い音だったので気になって来てみたんです。」


「そうですか。真白。」

「……… 」

「ま〜し〜ろ〜……?」

「……さっきはすいませんでした。」

真白が私に頭を下げた。


さっき??


「なんのこと…?」


「……ああ゛あ゛ーもう!さっき、俺が桜に八つ当たりしたこと!!」


「八つ当たり……」


ああ!!あれか。

真白の方を見てみると赤い顔しながら、そっぽを向いていた。




―――ギュルギュルギュル


腹の音が鳴った。

周りを見てみると、真白が更に顔を赤くなっていた。


「あはは!!」

私は堪えきれず笑ってしまった。


「笑うな!!」

顔を真っ赤にした真白の声が道場に響いた。
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