アネモネの花束を君に
真白……
ありがとう…



真白に布団をかけて
桜は真白に気づかれないよう静かに部屋を出た。



☆★☆



階段を下り、リビングの扉を開けると
目の前にはお盆にコーヒーをのせた紅野さんがいた。



「おはようごさいます、紅野さん」



「おはようございます、桜さん。」



その奥にある食卓の椅子に座り、新聞を読んでいた八尋兄様が気付いて新聞をたたんだ。


「おはよう、さく。そういえば…さく大学はどうだ?」


「今年で卒業出来ると思うよ。」


「そうか。じゃあ、今学期中に卒業出来るようにしなさい。」


…………は?
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