アネモネの花束を君に
「大丈夫ですよ。八尋様方は紅野様が車を運転なされていかれましたから。 」
「そうですか。」
ここにはあまりお手伝いさんがいない。
ましてや、運転手なんて一人しかいない。
兄様め……
絶対先にわかってて黙っていたな………
「ああ。間違いなく、そうだろうな。」
と隣で窓の下の出っ張りにほうづえついていた真白は答えた。
「………はあぁ!!?」
「だから、間違い―「そういうことじゃなくて!」
「じゃあ、なんだよ?」
「なんで思っていた事わかったの?」
「さくが全部言ってたからだよ。」
「え!?嘘だ!」
「嘘言って俺のなんの得になるんだよ?」
「嘘だぁ〜。鈴村さん嘘だよね。」
「嘘では無いですよね?」
「はい。桜様は一人で呟いていらっしゃいました。」
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