光のワルツ
ガチャン
一回転とか用のレバーが下ろされた。
そのまま「いってらっしゃーい」の合図でジェットコースターが動き出す。
「…蓮人くんってさ…ジェットコースターとかが怖いって思ったことある?」
「いや、まだないな。確かに浮遊感はするし、びっくりしたりするけど…一応安全が保証されてるし…そういう面では車のほうが安全じゃないって考えるとな…」
「やっぱりかぁ?私は、乗るのがいやぁってなる女の子とか見ると無性にイライラするんだよね…なら来るな!みたいになる…」
「あー、わかる。ちょっとテンション下がるよね…って…なんか上がる時間、長くない?」
「…そういえば私たち、いつまでこんな日常会話してんの?普通そろそろ落ちるよね…」
「………」
「………」
「…本当にこれ、1番軽いジェットコースターなの?」
「そうだよっ!書いてあったじゃん…」
「あっそろそろ落ち………一一一一一一一一っ!!!」
「……ぅきゃああああぁぁぁぁぁぁああああああ!!!」
何これ…落ちすぎっ!落ちすぎっっ!!なんて考えてる間にも、どんどん落下していくジェットコースター…
「一一◇#〇▲¥↓*!!」
「無理っっ!無理無理むりむり無理むりむり無理っっ!!」
約5分後
ハァハァ…
「…………(もはや悲鳴さえ出なかった)」
「…………(本当に…本当に死ぬ覚悟した…)」
「…だっ大丈夫?なんかフラついてるよ?」
「蓮人くんこそ…逆に固まってるけど…」
お互い顔が真っ青だった。
そんなに怖くないと思ったから、足で突っ張ることもせずに手足がブラブラ状態のままの直滑降…
初めて怖いと思った。