光のワルツ
メリーゴーランドに乗って、それからお昼をちょっと早めに食べた。
里美の話しは本当に面白い。
朝起きてから駅までスリッパを履したままだったとか…
学校で体操着を逆に着ていて、先生に注意されるまで気がつかなかっただとか……
「……つまり、里美ってまれに見る馬鹿なんだな…」
「ひどっ!そりゃ自分でも馬鹿だなぁって思うけど…治す努力してるんだよ?!」
「でも治らないんだろ?」
「カッチーン……頭きた…蓮くんだって学校で弁当食べてるときに、間違って友達のペットボトルに口つけちゃったくせに……」
「なんで知ってんだよっ」
「にしし…なんでも知ってるよ?しかもその友達…女の子だったんだよねぇ?」
「ぶっ!ちょっ…そこまでは誰にも話してないはずなんだけど…」
「私をなめんなよっ?」
カッチャーン…
里美の持っていたフォークが落ちた。
「………」
「何やってんだよ…まったく…ほら、替え」
「あっうん…ごめん…」
「よかったな、俺が箸派の人間でさっ」
俺は気付けなかった。
この時…里美はもう消えそうだったんだ。