光のワルツ
「…えっ、誰?」
「日雇い家政婦の里美です」
なんか話しが合わない…
肩で切り揃えたハネとか傷みが見当たらない黒い髪の毛…
顔も小顔で整ってるし…こんなモテそうな子、知り合いに1人しかいない…はず。
「…いや…知らないですけど……」
「お父様やお母様から聞いてません?
今日から火曜まで、お父様方は旅行でしょう?
その間、あなたを1人で居させると絶対に家が崩れるか焦げるかだそうで…3日間だけ家政婦を雇ったんですよ。
それが私!」
「聞いてない…つかあんた高校生だろ?学校は…」
「私の学校は基本2日やすんだくらいじゃ退学にならないバカ校ですっ!
ほら、この時期寒くなってきましたし…入って入って!」
「それ俺の台詞…ちょっ待っ…」
「わぁー汚いっ」
「へっ?」
勝手に…しかも無理矢理入って第一声がそれかいっなんて思ったけど、それよりもそんな言うほど汚いはずがない…
「言うほど汚くした覚えないけど……あれ?」
「ソファーくらいしか下が見えないじゃないですか!
なんです?この綿毛…枕をどっかに投げつけました?」
さっきまでいたはずのリビングは本当に汚くて、足元にはガラスの破片まである。
でも確かにさっきまでいたはずで…そのときは何もなかった…と言うより気付かなかった。
「……………………
まったく…
いいから蓮人くんはお風呂にでも入ってください。
寝癖つきまくりで目が腫れぼったくて…カッコイイ顔が台なしですよ……
私が片付けときますから」
「あっすみません…」
なぜか家政婦に仕切られた。