隠せない気持ち【新☆パラレル・ワールド企画作品】
"カチャ"

屋上に通じるドアを開けると…

「先客か…邪魔しちゃ悪いんで離れて吸うか」

先客は、セミロングのまっすぐに伸びた髪をぐしゃぐしゃにかき回しながら何かに悩んでいる様だった。

喫煙のマナーを真剣に考える彼は先客から離れた場所へ移動しようとするが…

少し日焼けした腕を手すりに伸ばした彼女は、

「はぁ〜来年の進路どうしよう?」

ため息まじりに不安を口にした。

彼は、そんな彼女が気になり、その場を動けなくなった。
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