最後の手紙
限界だった。

どうあがいても、こんな一生を送っていくんだと。

傷口から赤いものが浮かび上がる。

切れば誰かが助けてくれる。

そんなおかしなことを考えて。

生れて初めて手首を自らの意思で切った。

後にそれがどうなるのかも知らずに。

それでも現状は変わらなかった。

自分の被害妄想にあきれる自分と、

もう死にたいとおもう自分と、

それなのに誰かに助けて欲しい

そう思う自分がいた。
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